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絵画欲求不満テスト
1942年にS. ローゼンツヴァイクによって考案された投影法性格検査。
検査者は、「他人から被害を受けた場面」や「攻撃を受けた場面」など、日常生活で欲求不満が喚起される24の場面をイラストで提示する。被験者は、イラストの中の人物になったつもりで、吹き出しにセリフを記入する。検査者は、その反応から、他責・自責・無責という3パターンの「攻撃の方向」と、障害優位型・自我防御型・要求固執型という3パターンの「型」の組み合わせによって、性格を評定する。PFスタディとも呼ぶ。 -
介護給付
介護が必要と認められた人に給付される、介護保険の保険給付。
要支援・要介護認定で、支援や介護の必要な度合いについて、審査・判定される。居宅介護(ホームヘルプ)、重度訪問介護、同行援護、行動援護、重度障害者等包括支援、短期入所(ショートステイ)、療養介護、生活介護、施設入所支援の9種類がある。対象となる人は、要介護1~要介護5の方となる。 -
絵画語い発達検査(PVT―R)
語彙の理解力の発達を測定することができる検査。 適応範囲:3歳0ヶ月~12歳3か月 ことばに発達の遅れのある子どもであっても、簡易的に行えるため取り組みやすい。
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改訂版言語学習能力検査
1961年にイリノイ大学のS. A. カークによって開発された、児童の知的能力を言語学習能力の側面から測定するための診断テスト。
知能検査のひとつだが、発達診断の要素が強い。適用年齢は3歳~9歳11ヵ月。被験者がどの領域を苦手とし、どの領域が優れているかという、能力の「個人内差」を見ることを目的とする。知的な発達に部分的な偏りを持つ児童のアセスメントに利用され、実際の教育場面に適用されている。プロフィールの診断に関して、全体的な把握に関しての類型化、使いやすい範例があまりない点が短所。 -
解離性障害
強いストレスや、事件に巻き込まれたショックなどから起き、記憶が部分的に抜け落ちる(解離性健忘)、すべての記憶を失い、自分が誰なのか、どこにいたの思い出せなくなり、家庭や職場から突然いなくなってさまよう(解離性とん走)、急に別の人格になり、前の人格の時のことを覚えていない(解離性同一性障害)、などの様々な症状があり、生活面で大きな支障が出てくる。あまりにも辛い体験を自分から切り離そうとするために起こる、一種の防衛反応と考えられている。治療では、安全感、安心感を与え、心理的に保護することが必要。また、本人の精神的な健康を回復させるために、抗うつ薬や精神安定薬が有効なこともある。
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家屋‐樹木‐人物画法テスト
1948年にJ. N. バックによって創始された、「家と樹木と人物描写検査」。
それまで知能検査として使用されてきた描画法に、人格検査の側面を持たせた。クレヨンなどで「家(house)」「木(tree)」「人(person)」の3種類を「できるだけ上手に」描いてもらい、描画完成後に64の質問(Post Drawing Interrogation、PDI)を行う。ここから量的分析、質的分析を行い、被検者の心的世界や知的水準を把握する。日本では、高橋雅春がHTPテストを改良したHouse-Tree-Person-Person Test(HTPPテスト)を考案している。 -
学習障害(LD)
全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算するまたは推論する能力のうち、特定のものの修得と使用に非常な困難を示す様々な状態を指す。中枢神経系の機能障害が原因と考えられているが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や環境的な要因が直接の原因となるものではない。
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感覚統合療法
1960年代にアメリカの作業療法士A. J. エアーズがまとめた、発達障害児に対するリハビリテーションの一つ。
脳が無意識に処理する感覚情報に偏りのある発達障害児に、遊びや運動で適切に刺激を与え、様々な感覚を正しく働かせることで、日常生活に適応させる療育法。日本には1980年代に紹介された。発達障害のある子たちへの支援に使われることが増えている。 -
眼球運動
視点を特定の点から別の点へと瞬時に動かす眼球の動きや動いている対象物を目で追従する動きなどのこと。眼球運動が苦手の場合、板書をノートに移す、先生が教科書を音読する際に文章を追うといった場面で困難に陥り、学習上の遅れの原因のひとつとなる。
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強迫性障害自分の意志に反して、あることが頭から離れない(強迫観念)、何度も同じ行為をくりかえしてしまう(強迫行為)などの症状が見られる精神疾患の一つ。
DSM-IVでは、不安障害に分類されている。多くはその行為に日あたり1時間以上を費やしてしまい、日常生活にも影響が出てくる。生物学的要因、心理社会学的要因が相互に作用しあい、それらが重なるところに発生するものと考えられている。なぜ強迫性障害になるのか、原因ははっきりとはわかってはいない。治療では、行動療法などの精神療法を中心に、薬物療法も組み合わされることがある。 -
Q分類
スティーブンソンが創案した技法。ロジャーズの自己一致理論を具体化するために生まれた。カードを用いて、そのカードに書かれていることが、「自分に最も当てはまる」ものから「最も当てはまらない」ものまでを並び替える。個別に検査者と向かい合いながらカードを並び替えさせる作業には、治療的な効果も想定できるので、一種の心理療法とみなして活用していくことも可能。
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協調性運動障害
協調運動とは、様々な動作を1つにまとめる運動を言う。協調性運動障害とは、協調運動がぎこちない、あるいは全身運動(粗大運動)や手先の操作(微細運動)が非常に不器用であり、学習や日常生活に大きな影響を及ぼしている状態を指す。LDやADHDとの合併が3~5割あると言われている。精神遅滞、身体疾患、神経疾患、広汎性発達障害との合併も見られる。
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グッドイナフ人物画知能検査
人の絵を描き、その人物のからだの部位の位置やバランスをもとに、知能発達を測る検査。 適用範囲:3歳~10歳 所要時間:5分程度
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訓練等給付
訓練等給付は、障害のある人が可能な限り自立して地域の中で生活するために、一定期間に提供される訓練的な支援。自立支援、就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助の4種類がある。『訓練等給付』を上手く活用していき、障害がある方も障害がない方にとっても自分の人生を創造していくことが大切である。
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K-ABC心理アセスメントバッテリー
最新の認知心理学、脳神経科学の知見を組み入れた診断的な知能検査として、1983年にカウフマン夫妻がテストバッテリーを組むところから作成したもの。2歳半~12歳半まで使用できる。16種類の下位検査から構成され、大まかに学力尺度と知的情報処理能力を測定する2つに分けられ、知的情報処理能力は、さらに逐次的なものと同時的なものに分けられる。認知プロセスに着目した点で新しいタイプの知能検査である。
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行為障害
他人への攻撃性、物の破壊、嘘をつく、規則を違反するといった症状が繰り返される時に、診断がなされる。家庭・学校・地域が連携して、対応する必要がある。素行症とも呼ばれる。
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高等養護学校
高等養護学校とは、軽度知的障害のお子さまが主に就労を目指して学ぶ学校で、中学3年時に受験合格した者のみ通える学校。各学校で授業内容は異なるが、就労に特化した内容で、多様な職業に関する基礎的・基本的な教育を行っている。
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高機能自閉症
知的障害を伴わない自閉症。DSM-Ⅴでは高機能自閉症の分類は、自閉症スペクトラム障害に統合された。
特徴は、①自閉症の3つの特徴を持つこと(言葉の発達の遅れと偏り、対人関係の困難さ、活動や興味の範囲の狭さ)、②その特徴は3歳以前に現れること、③知的な発達に遅れがないこと(lQ71以上)である。 -
向性検査
スイスの心理学者・精神科医のC. G. ユングが考案した、内向性‐外向性の性格類型に発想の基礎をおいた、人格検査のひとつ。アメリカのD. A. レアード、L. L. サーストンらにより向性を簡単に調べるものとして発表された。日本では1932年に淡路円治郎、岡部弥太郎が50項目の質問に、はい・いいえの二件法で答える向性検査を作成した。今日では、内向性‐外向性だけでなく、他の人格特性も扱った「人格特性項目表」が用いられている。
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行動療法
心理療法のひとつで、学習理論(行動理論)に基づき、対象者の望ましくない行動をコントロールするための様々な技法の総称。行動療法では、対象者とセラピストが共同して行動面での治療目標を立て、様々な技法を用いて、トレーニングにより不適切な行動を修正する。行動療法には、言葉が使用できない発達段階にある乳幼児や障害児者から、通常の発達過程にあるあらゆる年齢層のクライエントを対象にできるメリットがある。
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広汎性発達障害
アメリカ精神医学会による「精神障害の診断と統計マニュアル4版」(DSM-Ⅳ)の分類では、社会性やコミュニケーション能力を獲得する機能の発達の遅れを特徴とする、①特定不能の広汎性発達障害、②自閉症(Autism)、③アスペルガー症候群、④レット症候群、⑤小児期崩壊性障害 (CDD)、の5つの障害を含む概念。
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合理的配慮
障害者から何らかの助けを求める意思の表明があった場合に、負担になり過ぎない範囲で、社会的障壁を取り除くために必要な便宜のことである。 障害者権利条約第2条に定義がある。合理的配慮は、障害者一人一人の必要性や、その場の状況に応じた変更や調整など、それぞれ個別な対応を必要とする。
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個別支援計画
指定障害福祉サービス事業者が、利用者の意向、適性、障害の特性などを踏まえて作成する計画で、これに基づいて、利用者に対してサービスを提供し、またその効果について継続的な評価を実施するなどして、利用者に対して適切で効果的にサービスを提供するためのもの。作成に当たっては、適切な方法で、利用者の能力や、置かれている環境、日常生活全般の状況などの評価を通じて、利用者の希望する生活や課題などを把握(アセスメント)し、利用者が自立した日常生活を営むことができるように支援する上での、適切な支援内容の検討をしなければならない。